横転しそうな軽トラの救助です
神石高原町の農道で横転しそうな軽トラックのレスキューに行きました。
昨日の出張中に電話を頂いた案件です。
昨日一度は社員が出動してくれていたのですが、充分な時間が取れず代車をお出しして、一旦作業を切り上げていました。
昨日のうちに社員から送って貰った写真を見て、大体の状況は確認していましたので、ザックリした手順を頭の中で組み立てていました。
それに合わせてスリングと言う道具を2種類持って現場に出かけました。
一つは環状になったエンドレススリング。もう一つは両端にフックが付いたものです。これはホイルを吊る為に作って貰った言わば特注品です。
フック付きスリングは現場に持参しやすい様、蓋つきバケツに入れてあります。蓋には中身が分かるように写真を貼っています。環境整備です。
現場に着くと色々な道具が散乱していて、悪戦苦闘した様子が伺えます。
見たところ、ブリッジを敷いてバックで出そうとした事が分かります。一見すると今にも横転しそうなのでそう考えるのもうなづけます。
私は違う手順を考えていました
私は引き揚げるのではなく、一度田んぼにずり下ろす事にしました。
先ずトラックの左後方を田んぼの中に向けて直角にズルズルと引くのですが、前輪が右に向いているのでそのまま後ろを引くと頭も下に下り横転する可能性があります。
そこでひと手間かけます。
前輪をやや左に切り直し固定するのです。固定にはハンドルロックの機構を利用します。こうしておくと後ろを引いた時、頭が上に向きやすくなります。
この状態でキーを抜いて、ハンドルを左右に振るとロックします。
さて、引きます。
初めにリーフスプリングの後ろ側を少し引いて力をかけてみますが、動きにくいので引くところを変更します。
スリングを掛け替えて、一番動いて欲しい左後輪の設地部分を直接引きます。
思った通りちょっと引くと直ぐに動きました。
タイヤが乗っかっているアルミブリッジが浮いたので、アルミブリッジごと引き出す事にしました。スリングをアルミブリッジの両端に掛け替えます。
ズリズリっと引きます。予想通り左後輪がブリッジに載ったまま田んぼに降りて来ました。
後2輪両方がほぼ田んぼに降りました。
法面に残った前輪が下りるまで真後ろに引きます。
作業で使った相棒が「キーキー」うるさい動画です。
救助完了です。
モットーは車にダメージを与えない事
始めのうち心配そうだったお客様は「凄え、凄え」と作業に驚いた様子。
「無理矢理感が全くなかった。感動した。」と喜んで頂けました。
どんなケースでも、作業は安全第一ですが、その次に大事なのは、車にダメージを与えない事です。その事が作業を見守っていたお客様にも伝わった様で私も嬉しいです。
今回使ったツールはこれだけです。
今日の相棒はトラクタです
今回の様な場合、いつもはウインチ付きのジープで行くのですが、残念ながら現在ミッションの修理中で出動出来ません。活躍したのは農業用のトラクタです。田んぼの中ではむしろジープより有効でした。
お客様に許可を頂いて記事にさせて頂きました。
おまけ
ホタルを増やす為にカワニナに餌を撒いて帰りました。人参ジュースの搾りかす🥕です。有機物が良いそうです。
水路にパラパラと撒いて帰りました。