ヒーターをかけると「チリチリ」と嫌な音がする 原因はモーターの故障でした 2019.12.24

ヒーターをかけると「チリチリ」と嫌な音がするので診て欲しい、とご依頼を頂きました。

先ずは診断です。

診断は音の出どころを見つける事からです。

どうやらグローブボックスの奥の様です。グローブボックスと言うのは、助手席前にある車検証などをしまう物入れの事です。

グローブボックスを外してみると、音はブロワー付近から出ています。

ブロワーと言うのは、風を送るファンの事です。

ブロワーファンの構造。

一般にファンと言えば、換気扇や扇風機の様に3枚か4枚のプロペラが回るものを想像します。

ところがこのファンは違います。

このファンは円筒形です。円周に小さな羽根が、縦方向に沢山配置されています。羽根(円筒形)が回転すると、円筒内側の空気が外側に遠心力で吐き出される仕組みです。エアコンの室内機なんかと同じです。

すみません。分かりにくいですね。

ヒーターをかけると音がする。良くある事例。

ヒーターをかけると音がするので、この円筒形状のファンの中に、何か異物が入っているに違いないと考えました。

ここに異物が入り込む事は時々あります。そしてその異物がファンに当たるのです。

異物が入る原因は大きく2つです。

ひとつはフロントガラスの曇り止めの風が出る穴から、何かが落ちる場合。

もう一つは小鳥やネズミが何かを持って入る事です。巣作りをしようとするんですね。出てくるのはパンのビニール袋とか、藁、枯れ草などです。

意外かも知れませんが、後者の方が多いです。

余談 駐車中は内気循環にしておいた方が良い。

空調の内外気の切り替えが外気導入になったままだと、小動物が何かを持ち込むのです。駐車中は内気循環にしておいた方が良いです。入って来れませんので。

ブロワーを取り外す。結構大変です。

さて、音の出所はブロワーで間違い無さそうです。音は異物のせいだと判断。取り外します。

グローブボックスの奥にあるブロワーを外そうとするとどう見てもフレームが邪魔です。まさかコイツを外すのか、と、念の為WEBマニュアルを確認。

そのまさかでした。

しかもこのフレームを外すにはダッシュボードもゴッソリ外さなければなりません。

まあまあ大きな作業です。

原因は特定出来ていませんが、予測される作業から、お見積もりをお伝えし修理を進めます。

原因は異物では無く、モーター自体の不良によるものでした。

ダッシュボードを外し、邪魔になっていたフレームを外し、無事ブロワーを取り外しました。

ブロワーを点検すると中に異物は有りません。作動させてみると、「チリチリ」と言う嫌な音はモーターそのものから出ている事が分かりました。

モーターの寿命です。

モーターの値段を調べ、作業料金と合わせ、改めてお見積もりを作成。お客様にご了解を頂いて修理をさせて頂きました。

いつものくるま屋神石高原町 山本自動車工業

この記事を書いた人

山本 宰士

山本 宰士

山本自動車工業株式会社 代表取締役

広島県神石高原町のくるま屋です。