キジの赤ちゃん誕生 卵の保護から12日目 2020.5.29

孵卵器に移してからは毎晩卵の観察です。

とにかく卵が生きてる事を確認したいのです。

妻などは孵卵器の前に座ると2時間くらいは動きません。

卵を凝視しているのです。

始めの頃は、もうダメなのかも知れないと言う思いもありました。でも動くと生きてる事が確認出来ます。

日が経つにつれ、あれが動いた、こっちのが動いたと、生きてる事が確認出来る卵が増えて来ました。

手伝って生まれた。

最初に動き出した卵がいよいよ生まれそうです。

中から突っつき始めたのです。

ところがそこからが長く、何時間経っても状態が変わりません。

これが普通かも知れないのですが、あまりに時間がかかるので、見かねた妻は少し手伝ってやったそうです。

そしてこの状態でまた6時間。

自分の力で少しは進歩した様ですが、まだ殻の中で思う様に動けない様子です。

細い声で時々「ピーピー」としんどそうに鳴きます。

出して欲しそうにも聞こえます。

初めはチビっと見えてただけのクチバシが、だんだんと良く見える様になって来ているので、前進してるのは分かります。

それでも「薄皮がくっついて出て来れないのではないか」と言い心配する妻の意見を尊重し、結局夜11時を過ぎて、最後まで手伝ってやる事にしました。

このままでは死んでしまう様な気がしたからです。

怖がっているよう。

左手に包む様に抱いて、ハサミやピンセットで殻を少しづつ取り除きました。

振り絞る様にひときわ激しく鳴きます。

それでも「ピーピー」と細い小さな声でした。

恐怖にあらがっている様にも見えます。

「よしよし、よしよし、」と言いながら少しずつ少しずつ殻を脱がせてやりました。

ずっと寝たまま。

最初の子は、こうやって私の掌で産まれました。

脚をバタバタさせていました。

暖かい孵化器の中に戻してやると、さっきまで縮こまっていた身体を少しだけ伸ばしました。

私達も初めてでよく分からなかったのですが、今思うと全く元気のない赤ちゃんでした。

写真では分かりにくいのですが、お尻のところに殻のかけらが付いたままです。

へその緒です。

時々は寝返ったりはしますがずーっとこんな状態です。

リンゴの段ボールで仮住まい

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この記事を書いた人

山本 宰士

山本 宰士

山本自動車工業株式会社 代表取締役

広島県神石高原町のくるま屋です。