妻と二人で町立病院に入院中の、妻の祖母を見舞った。 2019年3月

新幹線の中で一昨日の出来事を書いています。

「お婆ちゃんがご飯を食べなくなったので、もうそんなに長くないかも、、」


妻は義父から聞かされたままを私に伝え、ちょっと逢いに行ってくると言うのだ。

入院してもう何ヶ月も経つし、齢はもう90を悠に超えているので、格別驚いた様子では無い。

妻は少しだけ神妙な様子で、その瞳の奥はもの哀しげな色に見えた。そう見えたのは、妻が私の目を真っ直ぐに見つめながら言ったからだと思う。

「わしも行く」

一瞬だけ言葉を探した後、私は短く即答した

即答には理由が3つあった。

1つ目は入院してから一度も見舞った事がない事

2つ目は、、

私達が結婚して1年も経たない頃、お婆ちゃんが私に向けてボヤいた一言を憶えている。

もうおおかた30年近く前の事だ。

「自分のモノになったら顔も見せやせん。貰うまではやあ〜っぱりきょーたのに」

(嫁に貰うまではあんたは度々ウチに来ていたのに、貰った途端に来なくなった)の意

私の事は、孫の夫なのできっとかわいい存在だった筈で、家に来てくれると嬉しかったのだと思うが、年に数回しか顔を見せない私に、残念さと言うか、やるせない苛立ちがあったのかなと想像している。

つまり、家に来て欲しいと言う、お年寄りのささやかな願いや望みを叶えてあげようとしなかった記憶が私にはあるのだ。

お婆ちゃんの気持ちを多分察していたはずなのに、それに応えなかった事に対する懺悔に似た感情が湧いたからと言うのが2つ目の理由だ。

3つ目は、神妙に見えた妻の気持ちになってやりたかったからだ。

そして、妻の大事な婆ちゃんを私も大事に思ってやりたいと思ったからだ。

そうしないと私自身がその事を後悔する気もした。

新幹線がそろそろ熱海に着きそう^_^

病院に行ってからはまた書きますね

この記事を書いた人

山本 宰士

山本 宰士

山本自動車工業株式会社 代表取締役

広島県神石高原町のくるま屋です。